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<第二十八弾>
Firefly 2(クリックでFirefly Vaporに飛びます)
2012年、Fireflyを開発し、輝かしいデビューを飾ったFirefly社は、2016年4月にFirefly 2を発売し、ハイエンド機メーカーとしての地位を不動のものとします。
・最もコンベクションらしい喫味を出すヴェポライザーとは?
と問われたら、Firefly 2を挙げるユーザーは多いでしょう
・最も美味いヴェポライザーは?
と問われたら、好みの問題もありますがFirefly 2の名をあげるユーザーはまだまだいるはずです。
逆に
・最も手間のかかるヴェポライザーは?
と問われても、残念ながら名前の挙がりやすいヴェポライザーの筆頭かもしれません
この機器にしか出せない喫味があり、手間がかかり、そして愛されてきたヴェポライザーの一つがFirefly 2と言えます。
なお、エントリーに始まりミドルレンジに進み、標準的なハイエンド(PAX 3やIQ)を手にした後、変人はFirefly 2に進み、変態はMFLBに進む、とも評される、クセのあるヴェポライザーでもあります。
このレビューは公開までに7日、改訂を4〜5回繰り返しています。「今となっても本当に良いヴェポライザーなのか」の判断に非常に苦慮したためです。
[結論先取り、このレビューに書かれていること]
・クリアな喫味を楽しめます
・今では「さすがハイエンド」という評価からは外れてしまう機種なのかもしれません
・手間とそれに見合う喫味なのかというと疑問を感じます
・高い
!!!!! 重要 !!!!!
・AppleのApp Storeの規約改定により、Firefly2のAppは2019年11月15日以降利用できなくなりました。2019年11月20日時点でGoogle Play(Android端末)での操作は可能ですが、iPhoneユーザーは利便性を著しく損なわれることになります。
購入の際には慎重に検討してください。
[外観]
シンプルなものです。手前が吸い口、奥の丸い小窓の中がチャンバー、その少し下にあるのがインジケーター
蓋を開けたところ。眩しいほどの鏡面ですが、Firefly2で喫味を楽しむためには常にこの鏡面を維持せねばなりません。
チャンバー、常にチャンバーを綺麗にしておく必要があります。
左右一対あるタッチ式のパフボタン。触れるだけで加熱が開始されます。
加熱開始は両方タッチ、右タッチ、左タッチ、どっちかタッチの4パターンから選べます。
Bluetoothで「温度設定」「ファームウェアアップグレード」「詳細設定」を管理します。スマホ操作前提の構造です。
[性能]
・本体から温度調節をすることができないので、スマホで適宜調整する必要があります
・ヒートアップタイムは公称5秒ですが、適切な喫味を出すための時間はもっともっとかかると思います、好みに応じて。
・770 mahです、バッテリー容量が少ないと言われてるGpen proの約半分、バッテリーのもちはお察しという感じで
[喫味]
<着香 Mac Baren 7 seas Gold Blend グラインダー入 190度>
シャグはチャンバーに少なめに、揺り動かして攪拌できる量で入れます。加熱に従い透き通った、純粋な甘みや旨味、バニラ、ナッツの香りが広がります、が。タバコをスパスパ吸うような感じでなく、ほのかに温かみのあるフレーバーをゆーっくりと、少しずつ舌の奥から喉にかけて送り込んで、口の中に残る喫味を楽しむといった特殊な吸い方が必要です。(Mouth to Lungでなく、Direct Lungに似た吸い方)
透明感のある吸い疲れのないまろやかな喫味が楽しめます。キックは乏しい。
<非着香 アンホーラ フルアロマ 190度>
2パフ目あるいは3パフ目からシャグのフレーバーのみを抽出したような、これもやはり雑味のないクリアな喫味が出てきます。ゆっくり吸い続けると喉から気道にかけてフレーバーの旨味が感じられます。
<非着香 アンホーラ リッチアロマ 190度>
フルアロマに比べてシャグの旨味が強いような気がします。自分は満足する喫味を出す頃には本体が熱くて持てなくなってしまいます。
[メンテナンス、使い勝手]
・フタを開けてひっくり返すだけでシャグポンできます、ただし次のセッションを始める前にはハケで蓋、本体共にシャグ粉を丁寧に掃除し、なんならどちらもピカピカに磨く必要があります
・粉シャグがマウスピースにたまっていくので定期的にマウスピースも掃除する必要があります
[ここなら安いよ]
どこで買っても30,000円以下は難しいと思います
[さいごに]
貧弱なバッテリー、セッション前に必須となる「儀式」に近いメンテナンス、セッションを繰り返すとパフボタンが触れないぐらい熱くなる
じゃぁ、喫味はどうかというと、透明感・吸い疲れのない独特のフレーバー、これはやはりFirefly 2にしか出せない特殊なものであるのは認めるのですが、あれだけの手間をかけてその喫味を求めたいか?と言われるとやはり疑問があります。
「36,200円をかけて買った」という先入観から、どうにかして美味く吸ってやろうと試行錯誤した結果、Firefly 2らしい喫味をだし、無理矢理に自分を満足させているという感が否めません。手間は全てのヴェポライザーの中でも圧倒的にめんどくさい。
「確かに美味しいことは美味しいんだけどね」という暗いイメージから、徐々に片隅に追いやられていき、しかしふとした時間がたっぷりある時に「よし引っ張り出してまたあの喫味を」という使い方になってしまっています。
"実はもうFirefly 2が好きではないんじゃないか?"という現実を認めたくないので、レビューの公開に時間がかかってしまったのですが、
35,000円あってFirefly 2をもってない状況で、またFirefly 2を買うかと言われたら絶対買いません。
他の優秀なヴェポライザー(Solo2, Boundless CFXやTera、Ghost MV1, Mighty, etc..etc...)と比べてしまうと、相対的に評価が下がってしまっているヴェポライザーなのでしょう。実際大手レビューサイトのBest VaporizerでFirefly 2を目にすることはほとんどなくなってしまいました。
あの喫味がお手軽に、自動加熱で、少々のメンテナンスで楽しめるならこれ以上のヴェポライザーはないんですけど・・・・
難しいものです
[追記 2018/9/3]
いくつかの加熱方式のなかで、代表的なものに「コンダクション」と「コンベクション」がありますが、世に存在するコンベクションの中でも「フルコンベクション」と呼ばれる、本当にシャグのフレーバーのみをクリアに抽出できる機種は指で数えるほどしか存在しないように思えます。
代表的な機種はこのFirefly2で、次いでGhost MV1
あたりになります。所持していないのでなんとも言えないのですが、おそらくHaze Squareはフルコンベクションに近く、Boundless Teraはハイブリッドに近いコンベクションなのでは?と感じています。
Boundless Teraあたりも本当はレビューせねばと強く感じております。
記 2018/6/18
記事更新 2018/9/3