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<第六十弾>
LINX Gaia(クリックで本家サイトLINX社に飛びます)
ネーミングが面白いですね、LINXからはember、Ares、Hypnos Zero、そしてこのGaiaが発売されています。
emberは"残り火"の意味で、コイル式のヴェポライザー、Aresは"戦の神"ストロー式吸引タイプ、Hypnosは"眠りの神"でセラミックチャンバーに見えます。
そしてこのGaia、"大地の女神"で原初の神ですから、かなりこの機種にLINX自体が力を入れ、また期待していたことが伺えます。
なかなか特徴多く、クセのある機種でもあります、自分一人だけのレビューでは購入の指針としづらいので、すでにレビューを書かれている"KJさん"のブログを合わせて参考にしていただければと思います。
[結論先取り、このレビューに書かれていること]
・「コンベクション」の喫味を出すヴェポライザーだと判断しています
・クオーツ(水晶)のチャンバーを採用している風変わりなヴェポライザーです
この「クオーツ」の特徴をつかむのに少し苦労するかもしれません
・非着香でもいい喫味を出しますが、ヴェポライザーとしては珍しく
「着香」シャグで良い喫味を出します
・ねじ式のマウスピースが時折硬くて外しにくくなります
・値が張ることは張るのですが、総合的にはコスパの良い機種に思えます
[外観]
外箱、オシャレ!
本体とアクセサリー、ゴタゴタしてなくて良いですね。
先にアクセサリー書いちゃいましょう
マウスピースのフィルター、ブラシ、シャグ入れる漏斗、そして充電ケーブル
充電ケーブルはMicroUSB-Lightningタイプで、「よもやAtman HachiのようなLightningで充電するタイプじゃあるまいな?」と危惧したのですが、MicroUSB充電でした。
変わってますね、オリジナリティがあって好きです。
本体見ていきましょう。
合金製の外装で、頑強という印象を受けます。KJさんのレビューによるとアルミニウムコーティングが施されてるようですね。サラサラとツルツルの中間ぐらいの肌触りです。
ざっと大きさを言えば「手に握り込んでマウスピースだけ顔を出す」ぐらいの大きさです(また大きさ比較を載せます)
フロント部、上が電源ボタン、+で温度up、ーで温度down
ディスプレイは現在温度(予定温度)、ヒートアップのサイン、バッテリー残量の表示のみ
トップ、上面。LINXの刻印があるのがマウスピース保護のキャップになります、マグネット式。
底面。左のなんか意味ありげな構造がフローコントロールだと面白かったんですが、掻き出し棒が入っています。右側がMicroUSB充電ポート。
掻き出し棒ですね、棒を収納しているタイプはDavinci IQとDavinci Ascent、Davinci Miqroが思い浮かびます、こういう工夫がある機種は好きです。
チャンバーマニアがうずうずしていると思いますが、先にマウスピース見ていきます。
蓋を外した図です。本体の大きさの割にマウスピース小さいという印象なのですが、まぁこれはこれで。マウスピースはねじ式で外れます。シャグ詰めてからマウスピース硬く閉めると、後で外しにくくなることしばしば。ただ緩いとカタカタいうのでちょっと困りもの。
マウスピースにフィルターがついていて、交換ができます。マウスピースの吸い口はガラス製。
ここまでは箱型ヴェポに割とありがちな一揃いというか、18650交換できないFlowermate V5Nanoみたいな感じですが(届くまではそんな印象でした)
LINX GaiaをLINX Gaiaたらしめているチャンバーを見ていきます。
チャンバーの底部が透けて、底の構造が見えるのがわかります、クオーツチャンバー。
側面、サッパリわからないですね、すいません。
クオーツチャンバーが、ヒーターとスペースを設けるために「浮いた」構造になっています。
最近絵を描くことを覚えたのですが、エアフローはこんな感じになってます。
コンベクションっぽいハイブリッドはどうしてもヒーターとチャンバーの距離が近すぎてチャンバーがヒーターに加熱されてしまい、コンダクションの喫味が出てきてしまう結果になるのですが、熱伝導性の低いクオーツ(水晶)を使ってなるべくチャンバーを加熱せず、ヒーターで熱せられた空気でシャグを加熱しようという意図が見てとれます。
サイズ比較。購入前はFlowermate V5Nanoサイズかと思ってましたが、一回り小さく、一回り分厚い。
[性能]
・電源ボタン5回クリックで起動
・起動時に電源ボタン5回クリックでoff
・起動時に+/ーボタンで温度up/down
・起動時に電源ボタン長押し(から離した直後から)でヒートアップ開始
・ヒートアップタイム 75 → 360F:40秒
・セッションタイム:4分
・コンベクションは気温や設定温度でセッション数が大きく変化します
390Fで試していた時は8〜10セッションが限界でしたが、360Fで使用し始めてからセッション回数が12回ほどまで増えていることを確認しています。
[クオーツチャンバーについて]
最初、当然ながらクオーツチャンバーというものの特性が分からずに試行錯誤を繰り返していたわけです。
従来の機種と同じような使い方、つまりコンダクションなら割と詰めて、コンベクションならフワッと、コンダクションならだいたい自分の好みは190-200度で、コンベクションなら170-180度ぐらいの幾分温度低めで、と色々試していました。
主観ながらという話ですが、LINX Gaiaのクオーツチャンバーは、喫味が出るまでの立ち上がりが悪く(コンダクションのように速やかに喫味が出るわけではなく)、予定温度より20秒ほど経過してから喫味が濃厚になってきます。
熱伝導率について調べてみたのですが、(数字が高いほど熱が伝わりやすい)
鉄:83.5 ステンレス:16-20
セラミック(素材によるのですが):だいたい20ぐらい?
クオーツ(水晶):8 ガラス:1.8 と、従来の素材に比べて熱伝導率が低いことがわかります。
熱伝導性の低いチャンバーを用い、純粋に熱風のみで喫味を引き出そうとしているので喫味が出るまでの時間がかかる、と推測されそうです。
[喫味]
使用開始から、ケミ臭はほとんど感じられませんでした。
410F、390F、370F、360Fで4パターンぐらいで試してみましたが390Fを超えると顕著に焦げ味が加わると判断しました。加湿をしっかりした方が焦げ味が抑えられ、フレーバーが豊かで楽しめるように思います。
<チェシャグ 赤 360F>
シャグはフワッと詰めて、360F、自分の中ではかなり温度を下げて使っていますが、割と頻繁に焦げ味が混じり吸いづらさを感じます。Boundless Teraのような穏やかでクリアで柔らかな喫味ではなく、酸味と辛味のある、刺さるような喫味が出てきます。ただ、この辺は加湿による影響を大きく受けそうな感じがします。
<コルツ グリーンティー 360F>
焦げ味とのせめぎ合いになることはなるのですが、クリアでフレーバーがよく引き出されます。先にレビューされていたKJさんは「Solo2のような」という表現をされていました、Solo2のなんというか凝集して吹き出すようなクリアな濃厚さには及ばないと思いますが、同じ系統の喫味であることは同意します。
個人的にはGhost MV1とかFirefly2の喫味に近いと思うので、やはりフルコンベクションに限りなく近い性質をもってるように思います。
美味いです。(焦げ味のコントロールが難しいんですけども・・)
<コルツ ライチ 360F>
温かいミストの中に、柔らかくてクリアな甘みとライチのフレーバーが混ざります。
濃厚かと言われるとそこまでフレーバーが強いわけではないのですが着香でコルツライチのフレーバーがよく出る機種って今までBoundless CFCぐらいしか思いつかなかったので、コルツライチを楽しめる新しい機種に出会えたという感じです。
上品な感じで押し付けがましくない美味さだと思います。
<Excellent Kir Royal 360F>
Kir Royalは喫味が弱くて個人的にはFenixの方が好きですね。うすーい感じです。
カシスの喫味が弱いとなんか薄いジュースみたいな感じで不味い。
<コルツ アップルシナモン 360F>
カサカサのシャグを引っ張り出してきたので喫味が弱かったのかもしれません、うすーい感じです。
<コルツ チェリー 360F>
(廃盤なので)しっかり調湿してあるコルツチェリーです。時折焦げ味混じりますがチェリーフレーバーがよく出てると思います。そしてピークタイムも長い。
ただ、欲を言えばXMAX V2 Proの方が美味いと思う。
そのほか、ZIGZAGやバリシャグ赤などいろいろ試しましたが、概ねフレーバーがよく出て非着香でも甘みがよく感じられる印象でした。
[メンテナンス、使い勝手]
パイプ葉でなくシャグを用いた時は、かなり高い可能性でシャグポンできます。さすがコンベクションという印象。多少シャグが詰まったとしても掻き出し棒を付属していますのでストレスなく掻き出せます、優秀。チャンバーも汚れがほとんど付きません。
[ここなら安いよ]
Namaste Vapes USAでブラックフライデーのセールで購入しました、送料込み 164.6 USDでした。
[さいごに]
吸っていてCombustion(焦げ味)との戦いになるのはコンベクションの特徴かなという気がします。コンベクションらしいクリアな喫味が出ていると思います。
フルコンベクションのポータブル機で外に持ち出せる機種は意外に少なくて、我慢してBoundless TeraかこのLINX Gaiaになるので、選択肢としては十分にアリだと思います。
Solo2のようなビックリするほどの濃厚な喫味や、Ghost MV1のようなさすがフルコンベクションとうならせるような喫味とは違うのですが、
ポータブル機で利便性高い着香シャグを楽しめる機種というのがパッとは思いつかないので、そこに収まる、位置付けされるのがこのLINX Gaiaという感じがします。
概ね有名どころの機種(PAX3、Solo2、Davinci IQ、Boundless Teraあたり)を買い揃えた人が、ポータブルのコンベクションでTeraとはまた違った喫味を楽しみたいという時に選択肢にあがる機種であり、
「初めてのハイエンドを探してるんですが、どれがおすすめですか?」で名前が出せる機種ではない気がします、非常に特徴的であるがゆえにユーザーを選ぶように思います。
着香シャグの汎用性が高いように思うので、手持ちのパイプ葉を含めたシャグでこれからも試していきたいと思います(7Seasやキャプテンブラックも面白そうですね)
記 2018/11/28