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<第八十四弾>
HealthyRips Fury Edge(クリックでHealthyRips本家に飛びます)
HealthyRipsでは現在3機種の販売がなされ、Fury2、Fierce、そしてこのFury Edgeが主要ラインナップとなっています。
FCなどでの議論を見ていますと、それぞれの違いは「サイズが小(Fury2)、中(Fury Edge)、大(Fierce)の3パターンで、バッテリー容量と喫味の強さがサイズに比例したものになっている」
というような感想が見受けられます。
拾った情報になりますが、「Fierceのバッテリー問題は解決したのか?(ファームウェアで対応したぞ)」とか、「Fierceのバッテリー交換ができるのは大きな強みだよ」、「サイズと効果のバランスではFury Edgeが一番だね」といった様々な意見がみられます。海外は議論が白熱していて羨ましい。
国内ではFierceはTwitterの知り合いに2名、ウェブ上のブログで1名が所有しているのを確認しましたが、そのブログではFierceについてのレビューは確認できませんでした。
なお、Fury Edgeに関しての国内情報は皆無です。
Fury2は自分のお気に入りの機種の一つでもあるので、Fury Edgeに寄せる期待は大きいです。楽しみに見ていきましょう。
[結論先取り、このレビューに書かれていること]
・ソツなくシャグ・パイプ葉の喫味を出せるオールラウンダー
・バッテリー大容量で10セッションは容易にこなす
・メンテナンスが簡便
・ピュアコンベクションというよりはハイブリッド
・お高いが、価格相応のポテンシャルだと思う
[外観]
いつもの白・黒・緑を基調としたシンプルなデザインの箱ですね。
開封すると、満載という感じです。HealthyRipsはアクセサリーで必要なものを十分に入れてくれているという印象。それなりの値段するのですが、価格に見合わせるという努力を感じます。
アクセサリー、一覧。左上より、フィルター、グラスマウスピース、アレ浸す網のやつ、USB-Cケーブル、耳かき・ヒゲ抜き、ブラシ、本体、USB-Cウォールチャージャー、そして取説。
本体見ていきます。HealthyRips製品はマウスピースカバーついてます。Fury2もそうでした。実際に運用すると、使わなくなるんですけどね。サイズ比較は後ほど。
天面、テカテカ部がディスプレイになります。
キャップ外した側面。マウスピース部は取り外し可能で、ガラスマウスピースなどと交換ができます。公式によると、本体は亜鉛合金とのこと(Kirksite alloy body)
フロント部と逆側面、特に面白みもないので説明を省きます。
リア?部は、上から順に電源ボタン、up/downボタン
底面。USB-C形式で急速充電する、一つ新しい試みが見受けられます。上の小さい6の穴はフローホールですね。
左から、本体、標準マウスピース、グラスマウスピース。
・・・非常にマニアックな話になりますが
Fury Edgeのマウスピース(右)とFury2, POTV One(画面左), Fenix miniのマウスピースに互換性はありません(サイズがFury Edgeの方が若干大きくて接続できない)
ところが、POTV OneのガラスステムとFury Edgeは規格が同じらしく、互換性がある(すっぽり収まる)
画面左がPOTV Oneのもの、右がFury Edgeのもの。誰得情報。
さて、Fury Edgeの話に戻ります。
FCで拾った公式の情報によりますと、Fury edgeは
・チャンバー:ステンレス ヒーター:ステンレス
なお、Fury2とFenix miniについては
・Fury2 チャンバー:ステンレス ヒーター:ニクロム
・Fenix mini チャンバー:アルミニウム ヒーター:ニクロム
材質の違いが喫味にどう影響を及ぼすのか気がかりなところではあります。
マウスピースの分解。左の標準マウスピースは中身バラしてかなり細かく掃除できます(jomoさんありがとう)
ガラスマウスピースは直でチャンバーから吸い上げてるだけなので、構造的にはSolo2と同じような仕組みになります。この方がシンプルで美味いのかもね(ガラスステム信者)
Fury edgeのディスプレイ情報は、バッテリー残量、設定温度、現在温度。一定時間が経過するとSetがTimeに切り替わり、セッション残り時間を教えてくれる。優秀。
(Fierceはディスプレイ上部が設定温度と現在温度、下部がセッション時間とセッション残り時間)
情報量はFury edgeもFierceも同じですね。
追記で、これまた不思議情報なのですが、
国内でワンヒッター用に(というより自作ステム作りたくて)買ったガラスステムが、なぜかPOTV OneにもFury edgeにもすっぽり挿さります。550円でFury edge用のロングガラスステムが手に入ると考えると、少しお得かもしれません。
なお、DynaVap用のチャーリーステムもフラステムも、径が少し細くユルユルでした。
最後にサイズ比較。
左、Fenix mini、真ん中 Fury2、右 Fury edge。
ほんのちょっと、ひとまわり大きいという感想です。
[性能]
・電源ボタン3クリックで起動
・起動時、電源ボタンとdownボタン同時長押しで摂氏←→華氏切り替え
・起動時、電源ボタン長押しでディスプレイ反転
・起動時、up/downボタンで設定温度変更
・起動時、電源ボタン3クリックで電源off
・パススルー未対応
・ヒートアップタイム 60F → 380F:約25秒(実測)
・セッションタイム:300秒でオートoff
・セッション回数は仮で10回と書きましたが、10セッション吸ってもバッテリーが残っているので、12〜15回は吸えそうな感じです。
[喫味]
さすがHealtyRipsの製品というか、プラ臭さやケミ臭さはほとんど感じられませんでした。
<チェシャグ 赤 370F>
加熱に従い、初期はチェシャグの甘みと香ばしさ、旨味がよく出てきて、加温がちょうど完了したあたりから、キック、わずかな辛味が出てきます。加熱完了時も全体としては、旨みや香ばしさが優勢な印象です。
「あれ?Fury2でチェシャグの甘みと旨味がこんなに出たかな?」と思って、今吸い比べてるのですが、
フレーバーの出し方の傾向はFury2と同様ながら、Fury edgeの方がシャグの特性をよく引き出しているように思います。
具体的にいうと、Fury2も同様に吸った感は得られるのですが、Fury edgeの方が表現するフレーバーの範囲が広く、同じシャグながら奥深い喫味を出しているように思います。
・Fenix miniでは吸った感はあるがスカスカ
・Fury2では旨味、甘みは出ているが弱い
・Fury edgeでは違うシャグを吸ってるような表現域の広さを感じる
あと、喫味が出るまでの立ち上がりがFury edgeの方が早く、ストレスを感じさせません。
美味い。
なお、Fury2では380Fで吸っていましたが、Fury edgeの方が若干コンベクション寄りに感じるので(それでも喫味はハイブリッドに属すると思います)、Fury edgeは10Fほど温度を下げて運用しています。
<コルツライチ 370F>
着香シャグの代名詞というと、以前(1〜2年前)はコルツグリーンティーが優勢だったように思いますが、コルツグリーンティーは割とどんな機種でもソツなく喫味が出てしまうので、機種ごとの良し悪しをみるならコルツライチの方が便利かなという気がしています。
加熱に従い、コルツらしいシャグの喫味、ややくすんだような重たい喫味はよく出てくるのですが、ライチっぽさはほとんど感じられませんね。
Fury edgeでコルツライチを吸う価値は乏しそうです。
<ドミンゴ メンソール 370F>
メンソールシャグを全部吸いきってしまって手元にドミンゴしか残っていなかったので、吸ってみます。なおドミンゴ メンソールはいろんな機種で試してきましたが、Starry、Fenix、PAX3、Aria、Zeusやら散々に試してきて、Davinci IQとDavinci Ascentでしかまともにメンソールの喫味が出ないシロモノです。
加温に従い、シャグの旨味と香ばしさ、わずかな甘みはでてくるのですが、メンソールは弱いですね。
チェ緑の方が分かりやすくて好きです。
<桃山 370F>
傾向を変えて、パイプ葉、桃山です。
「お菓子のような」という表現がしばしばなされますが、適してると思います。
香ばしさ、旨味に加えて、ハニー感、ナッツ感のようなフレーバーが加わり、上質な喫味を出してくれます。
ピークの喫味でいうと、Aria、Zeus Arc GTの方が優れていると思いますが、Fury edgeの特筆すべきは喫味時間の継続にあると思います。
パイプ葉でダラダラ吸える代表格に、Vivant Alternate、Davinci IQがあると思いますが、遜色ない喫味でダラダラと吸えます。いいっすね。美味い。
<コルツ チェリー 370F>
最後になります、パイプ葉でコルツチェリー。
酸味、甘み、フルーティーさがよく引き出され、「コルツチェリーらしい」喫味が存分に表現されます。
ただ、最近はいい機種が増えてきて、特にパイプ葉でのXVAPE ARIA、Vivant Ambitが衝撃的だったので、ピークの喫味はこれらに若干劣ります。
しかし、継続性は優れている。5分間300秒、しっかりとミストを抽出している印象です。
個人的にはFury edgeでは非着香パイプのダラダラ吸いの方が好きかなぁ。
[メンテナンス、使い勝手]
分類としてはコンベクションですから、フワ詰め、シャグだと底部エアフローから吹き出すとシャグポン、パイプ葉だとカリカリになるので掻き出し棒が必要です。
メンテナンスはFenix mini、Fury2とさほど変わらず、基本的にはマウスピース丸洗いと、チャンバーをISOでささっと掃除ということで、コンダクションと比べあまり手間にはなりません。
使い勝手、バッテリー容量、諸々考慮して、全体的に取り回しは簡便で使いやすいです。
[ここなら安いよ]
HealthyRips製品は値段が高止まりする傾向があります。大規模セールでもない限りは150 USDを大きく下回ることはないかと思います。狙い目はブラックフライデー、サイバーマンデーでしょうね。
[さいごに]
吸うほどに感じたのは、「ソツなく、クセなく」ということです。
シャグ非着香、シャグメンソール、パイプ非着香、パイプ着香とも全体として優れた喫味を出します。
シャグごとのベストマッチということで考えれば、Zeusと桃山の組み合わせ、XVAPE Ariaとコルツチェリーの組み合わせ、AirVape XやSolo2、Boundless Tera V3とチェ赤との組み合わせ、PAX3とバリシャグ赤との組み合わせみたいなのには及びませんが、
どのシャグと組み合わせても概ね70〜80点を出してくるのは優れた機種と言っていいでしょう。
バッテリーは大容量、メンテナンスが簡便、喫味がオールラウンダー。
オールラウンダーの代名詞として今まではFlowermate V5Nanoを挙げていましたが、それと比べてもFury edgeの方が頭一つ抜けている印象があります。
こうなると、Fury edgeよりも「big flavor」を出すと言われているFierceが本当に気になってしまいますね。次のブラックフライデーはFierceを狙ってしまおうかなぁ。
優れた機種だと思いました。お高いけど。
記 2019/10/6