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<第八十七弾>
Tinymight(クリックでTinymight vapeに飛びます)
新しいヴェポライザーブランドで、新しいヴェポライザーになります。
これを自分で探し見つけ出すのは無理だったと思います、Twitterでお世話になっているヴェポライザーに"凝り過ぎ"な方に感謝したいと思います。
Tinymightはフィンランド製のヴェポライザーになります。
後述しますが同じくフィンランド製であるApolloのVenusともコンセプトに共通項があり、興味深く思えます。
Tinymight自体は「pre-order」の状態であり、注文をかけると速やかに発送してくれるのですが、ブランドとしても製品としてもヴェポライザー界全体で見れば「若い」、これからの評価が待たれる期待のメーカーといっていいでしょう。
[結論先取り、このレビューに書かれていること]
・メーカーの作りたいヴェポライザーのコンセプトが
製品から非常によく感じられる
・良いものを、無駄なく実直に作るという真面目さが感じられ、好感が持てる
・フルコンベクション
・お高い
・現状、フルコンベクション製品ではトップクラスの性能だと思う
[外観]
梱包解くと、麻袋がポンと出てきます。ヴェポライザー入れる袋を色々と見てきてますが、これは好き。
バッと、色々出てきた図です。
左:説明書 中上:MicroUSBケーブル 中下:本体 右:付属ガラスステム
なおガラスステムは自分は短いステムを1本追加注文しています。
(自分の注文だとロングステム入ってないはずなのですが、何故か入ってました)
麻袋にくっついてたタグ、Tinymightのいい所を列挙してます
Made in Finland!
本体側面。飾りっ気ないのが良いすなぁ。
良いすなぁ(しみじみ)
ここに(底部に)電源ボタンです。温度設定終えたら基本的にはここを触るだけです。シンプルすなぁ。
底面。MicroUSB充電ポート、そして右に出力調整。
トップ部、ガラスステムとバッテリー蓋、蓋はコイン使って開けます。
ガラスステム、ショート・ショート・ロング
真ん中のステムが使用時の状態。ステムの中に入ってる金属パーツは
冷却ユニット兼フィルター
一応ロングステムの中にメッシュフィルター入ってますが、自分は今のところ出番はありません。
ステム外したトップ部。空虚の穴。
バッテリー蓋開けると、手前マイナス極でバッテリーが鎮座。
バッテリー外して奥見ると、基板が見える。シンプルな作りのようです。
純正バッテリーはSony VTC6
スペックは色々調べる限りだとVTC6は3000mah 連続15A パルス25A
ということで連続15A以上のバッテリーを用いるべきでしょう。
トップ部を横から見た図。左がステム入れるチャンバーで、右がバッテリー蓋。
このチャンバーの口金の部がネジ式になっていて外れます。
チャンバーの抑え金具を外した図。Oリング(リング?)がコンニチハ。
Oリング外すと、(おそらく)アルミニウムのチューブが出てくる。
チューブ外すとチャンバー底部メッシュが。
底部メッシュ外すと、メッシュ支えのリングが出てきます。この時点でチャンバー底部のヒーターである電熱線が見えてきます(メッシュは不手際な操作で一回焼いた)
メッシュ支えのリング外した所。
ヒーターである電熱線。分かりやすい構造。
そして外観最後に、本編とは関わりないのですがVTCシリーズのバッテリーとTinymightとの互換性。
バッテリーのスペックを列記してます。VTC4,5,5AはいずれもVTC6よりは連続放電電流の値は高く、VTCシリーズであればいずれもTinymightでは正常に動作しました。
VTC6が一番バッテリー容量大きいので、VTC6使っておけば良いんじゃないかなと思います。
サイズ比較になりますが、
左から順にFlowermateV5Nano、Davinci IQ、Tinymight、Venus Apollo
お弁当箱じゃなんじゃと揶揄されている同フィンランド製Venus Apolloとはこれだけのサイズ差があります。
[性能]
最大の特徴として、オンデマンドモードとセッションモードが任意に切り替えられることが挙げられます。
<オンデマンドモード>
・電源ボタン3クリックで起動(バイブ)
→ この状態で吸いたい時に電源ボタンを押し続けるとオンデマンドモード
起動時は底部の赤インジケーターの点滅で起動をお知らせ
・起動時に電源ボタン3クリックで電源off(バイブ)
<セッションモード>
・電源ボタン3クリック後(バイブ)、そのままボタン長押しで
セッションモード(バイブ)、自動ヒートアップ
・セッションモードは約5分でセッション終了(バイブ)
・セッション中は任意のタイミングで電源ボタン3クリックでoff(バイブ)
・本体底部の出力調整で、温度変更
公式の120-240度の範囲で20段階調整という記載を信じるならば
1:120度 2:133度 3:146度 4:160度 5:173度
6:186度 7:200度 8:213度 9:226度 10:200度 になります。
(20段階というのは5.5とかの設定ができるという意味です)
実際に自分好みであろう"6"ぐらいで美味しく吸えています。
・ヒートアップタイム オンデマンド時に8秒ぐらいで喫味が出ます
・USBによる充電は「少なくとも2A以上」が推奨されています
・バッテリー残量を起動時のバイブ回数でお知らせ
バイブ1回 少ない ←→ バイブ4回 たっぷり
経過見ましたが、6セッションで3バイブ
9セッションで2バイブ
12セッションで1バイブ
VTC6満充電の状態から、1セッション5分、温度 "6"で使用して、
少なくとも14回は吸えました。
・セッションモード時にバイブをoffにしたい時は、
いったん温度をMaxにしてから電源ボタンを押し、
そして温度をMinimunにしてから再度電源ボタンを押す
バッテリーを取り外すとサイレントモードは解除される
[実際の使用]
説明するほどのこともないのですが、使う際にはガラスステムの中、冷却ユニットのメッシュがある側にシャグを入れて
こいつをチャンバーに突っ込んで吸うだけです。Arizer Solo2とかと同じ使い方をイメージしてください。
なお、コンベクションの性質上フワ詰めの方がよろしいかと思います。
(でも詰めたら詰めたで濃くて美味い)
[喫味]
材質が材質だけあって、プラ臭もケミ臭もしません。細かく言えばほのかに木の匂いがしますが、これは好きです。
<チェシャグ緑 温度 "6" セッションモード>
コンベクション機というものを様々に触ってきましたが、フルコンベクションはどうも温度調整とか、チャンバーからわずかでもシャグがこぼれるとすぐに焦げるとか、要するにCombustionとの戦いで神経質にならざるを得なかったのですが、TinymightはSolo2と同じぐらいの気軽さで吸えます。
加温に従い、混ざり気のないピュアな、クリアなメンソールとチェシャグの香りがよく引き出されます。シャグの甘味、旨味、香ばしさを存分に感じられます。
フルコンベクションはDLでゆっくりと吸い込むみたいな印象ありますが、MTLで舌でフレーバーを転がしても喫味をよく感じられます。
Solo2のような「ガツン」とくる喫味かというとそうではないんですが、炙られたシャグの良さを存分に引き出して、Ghost MV1やFirefly2のピークのような上品かつ澄んだ喫味を安定して引き出してくれます。
喫味の再現性が高くシャグ入れが雑だったりシャグ量の多少があっても概ね一定した喫味を出します。
美味い。
セッションの終盤に向かうにつれてやや喫味は減弱しますが、5分たっぷりと喫味を堪能できます。
<チェシャグ赤 温度 "6" セッションモード>
シャグ量によって喫味の濃厚さは変化しますね、フルコンベクションはフワ詰めと前述しましたが、詰めたら詰めたなりの濃厚さになって、また美味い。
チェシャグ赤だと、旨味、香ばしさに加えて甘みがしっかりと感じられて、シャグの良さをよく引き出しています。チェシャグ赤に限っていうと、AirVape系の喫味と言えなくもないです。
要は、美味い。
<コルツグリーンティー 温度 "6" セッションモード>
加熱に従い、コルツグリーンティーの甘・美味い不思議なフレーバーが広がります。ただし前述の2種のシャグと比べると着香フレーバーが抜けるのが早い(2分ぐらいで抜けていく)印象があります。
美味いことは美味いですが、あえてTinymightでコルツグリーンティーは吸わないかなぁという感じです。
<7Seas Gold Blend 温度 "6" セッションモード>
シャグに比べてフレーバーが出るまでに若干の時間がかかります。甘み、旨みが濃厚で、特にココア・ナッツの混ざったような、重くてキメの細かいフレーバーが出ます。
う〜ん、でもVivant AmbitとかXVAPE Ariaの方がパイプ葉は美味い気がします。全部が全部美味いってのはさすがに無理がありますしね。
<コルツチェリー 温度 "6" セッションモード>
加温に従い、フルーティーな甘酸っぱい喫味がよく出てきます。自分が吸う限りではシャグのフレーバーどうこうより、着香フレーバーがよく出てきて、「あぁ着香吸ってるなぁ」と、クドいぐらいの着香感です。
ただ、着香フレーバーが抜けるのがコルツグリーンティーと同様早く、2分もするとスカスカになります。喫味がよく続く機種と続かない機種の条件が今だによく分かりませんね。
[メンテナンス、使い勝手]
ご覧の通り、シャグポン(吹きポン)です。
メンテナンスは主にガラスステム、次いでチャンバーになると思うんですが、ガラスステムは水で丸洗いができるのでストレスがありません。
チャンバーは「外観」の分解経緯を参考にしていただいて、一つ一つ掃除していくことになります。
ポイントとして
・ガラスステムは挿入しすぎないこと
・トップキャップのチャンバーネジは回しすぎないこと
・チャンバー底部のメッシュフィルターは押しすぎると
基板内(電熱線上)に滑落するので気をつける(滑落したら救助すること)
などがあると思います。自分はフィルターが滑落した状態で加熱をしたのでメッシュが焦げました。
フルアクセスでフル掃除できるのでスッキリします。
[ここなら安いよ]
今の所、本家でしか販売していません。258 USD+ Shipping 9USDです。
加えて関税が2,000円ぐらいかかりますのでご注意を。
自分はDHLで送られてきましたが、フィンランドからDHLで9 USDは破格だと思います。
[さいごに]
まず良機、いや、名機といっていいと思います。フルコンベクションというと、Haze SquareやGhost MV1、Firefly2などなどのCombustionとの戦いがまず思い浮かびますが、それをクリアして名機の仲間入りをしたのがBoundless Tera V3でした
(ただしBoundless Tera V3をフルコンベクションに入れてもいいのかは疑問の余地があると思いますが)
このTinymightはそういうCombustionに陥るリスクを最小限としながら、喫味を損なわずお手軽にGhost MV1やFirefly2に匹敵する喫味を出しています。
そしてポータブル性。Davinci IQを若干太らせたような外観ですが、コンパクト。
加えて掃除する箇所が少なく、かつ掃除のためのアクセスがしやすい。
シャグ・パイプ葉ともにソツなく喫味を出す汎用性の高さもポイントとすべきでしょう、実際6種程度のシャグ・パイプ葉を試しましたが、「これはダメだな」と思うようなシャグはありませんでした。
18650交換式、小さい、掃除しやすい、シャグを選ばない、シャグポン、フルコンベクション、焦げにくい、喫味いい
・・・うーん。
フルコンベクション機をいくつか所有していましたが、それらの出番は今後なくなるかもしれません。それぐらい衝撃的な機種です。
記 2019/11/27