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<第八十九弾>
XMAX ACE(クリックでTopgreen公式に飛びます)
国内販売はこちら(アフィ注)
中国Topgreen社傘下、XMAX社の新機種のACEになります。
Topgreen社にはXMAX, XVAPEがあり、以前はXLUXというのもあったのですが、今はトップページ見るとブランドラインナップとしては前述2ブランドになっています。
このブランドは、良い機種が多いと思っています、というか自分好みなんでしょう。
XMAX Starryシリーズ、XMAX V2 pro、XVAPE Ariaはいずれも高い評価をしていますし、XVAPE FOG、XMAX AVANTは巷では人気の機種となっています。
さて、「ACE」の名前がつけられた、Topgreenとしても意欲作と言っていいこの機種を見ていこうと思います。
[結論先取り、このレビューに書かれていること]
・ドローがスカスカ、少し工夫がいる
・喫味は値段の割には少し残念な感じ
・ピークタイムが短い
・シャグポンギミックはよく仕事をしている
・トータルでは「もうちょっと工夫が欲しかった」という印象
[外観]
自分はサンエスライン(Hilax)さんから購入しましたが、おまけでシリコンパーツが1つ入っていました。多分長期使用で最初にダメになるのがこの部なので、嬉しいおまけです。(Hilaxさんと交友があるわけではないので悪しからず)
外箱、少し金かけてんねって思います。
パカっと開くと本体が鎮座。おお、重厚さを感じます。
さて、本体の説明に移りたくてウズウズしていますが、先にアクセサリーを駆け足で見ていきましょう。
アクセサリーたち。左上からワイプ、綿棒、警告カード、ブラシ、説明書、MicroUSBケーブル、アレ用コンテナ(無視してください)、シリコンパーツx2、フィルター及びOリング
シリコンパーツの追加は嬉しいです。
警告カードには「詰めすぎるな。お好みの設定条件を見つけてくれ、きっと楽しめる」とあります。
さて本体。外装はメッシュ素材なんですが、Flowermate Slickの素材に表面コーティングを施してないような感じのやつです。編み編み素材。
中央部のスイッチっぽいのが、ACEの目玉とも言える「シャグポン機構」のスライド構造。
反対側は、まぁ。特に特徴なし。PULLはバッテリーの接点保護ですね。新品!PULLは抜いちゃいます。
ディスプレイには、設定温度、現在温度、残セッションタイム。
1年前にはこの「残セッションタイム」の機能がある機種ってごく一部の機種に限られていたのですが、最近レビューする機種にはほぼこの機能が搭載されていて、ヴェポライザーの日進月歩を感じます。
ボタン系は右から順に、電源、up/down、そしてMicroUSB充電ポート。
トップキャップ。StarryやFogを彷彿とさせますが、少し変化が見られます。その点は後述。なおトップキャップはマグネット式でカチッと留まります。
チャンバー、磨き込んでありますね。ハイエンド筆頭とも言えるDavinci IQを彷彿とさせる鏡面チャンバーです。実際にDavinci IQと同じジルコニアが採用されているようです。
お尻。バッテリー蓋にエアフローの穴。
蓋をあけると馴染みのあるカラーのバッテリーが。
お馴染みのSAMSUNG ICR18650-26Jですね。XMAX Starry、XVAPE FOGなどで採用されているいつものやつです。なおバッテリースペックは2600 mahで最大放電電流5.2A。
連続放電電流が10Aもあれば(正規品なら)どのバッテリーでも問題なく使えると思います。
ちなみにVTCシリーズやEfestのバッテリーを入れてみましたがバッテリー許容性は高そうに思えました(これができるならさっさとStarryのバッテリー許容をなぁ・・)
トップキャップを見ていきます。Starryっぽい、Fogっぽいトップキャップ。
ひっくり返して、「ん?おっ?あれぇ??」
一端にフィルターがあり、Starryのような全体をフィルターが覆うような構造ではありません。(Fogにコンセプトが近いと言っていいと思います)
シリコン外すとこう。フィルターの反対側に吸入口がありますね。ミストの冷却を意識したものだと思います。
シリコンパーツのゴム部でマウスピースを固定しているため、シリコンパーツを外すと必然的にマウスピースもコロンと落ちます。(シリコンのゴム部を逆にしても使えるのかという質問いただきましたが、マウスピースが固定できなくなるので不可です)
シリコンパーツにフィルターが2つ埋まっています。押し出すとこうなる。
全部バラした図。
さて、チャンバーですが、エアパスと基板やらの操作系は完全に分離されていて、かつエアパスも吹き抜け構造になっています。
なので、お尻に光を当てると、光がチャンバー経由して確認できる。
最後に、「シャグポン」のギミックですが、
通常時はこう。これを本体のチャンバースライダーを押し込むと
前面にチャンバー底が押し出されるようになる。シャグポンがこれで可能、ということらしい。
[性能]
・電源ボタン3クリックで起動、自動ヒートアップ
・ヒートアップ完了時にバイブ
・起動時、up/downボタンで温度変更
・起動時、電源ボタン3クリックでoff
・起動時、電源ボタン2クリックでブーストモード
ブーストモード:255度まで急速加熱、温度維持
ブーストモードを抜けるには電源ボタン2クリック
・セッション残時間をディスプレイ表示
・起動時、電源ボタン+upボタン長押しで5分/10分切り替え
・起動時、電源ボタン+downボタン長押しで摂氏←→華氏切り替え
・ヒートアップタイム 40度 → 180度:約25秒(実測)
・ヒートアップタイム 20度 → 180度:約35秒(実測)
・セッションタイム:加熱完了より5分or10分(デフォ5分)
[喫味]
レビュー公開までの4日間、ひたすら悪戦苦闘の日々でしたが、苦労した経緯も含めて記載してみようと思います。
<チェシャグ赤 180度>
加熱に従い、比較的クリアな喫味が出てくるものの、気持ち的には「もうちょっと、もう少しで良い感じなのに」の手前で止まる。喫味傾向としては香ばしさ、旨味、酸味、辛味などが入り混じった良い傾向の喫味ながら、どうにもその「もう一歩」が満足できない。
簡単に書くと薄い。そして薄いくせにピークが短い。
<チェシャグ緑 180度>
刺さるようなクリアなメンソールのフレーバーが出てくるが、ものの40秒ほどでメンソールが抜けていく。チェシャグの香ばしさや旨味が後追いをしようと頑張るが、辿り着けていない感じ。要するに薄い。スカスカな感じ。90秒ほどでびっくりするぐらい早くピークが去っていく。
<コルツチェリー 180度>
加熱に従って酸味と甘みがよく引き出され・・・あ。これは良い。上々ですね。比較的クリアでチェリーフレーバー豊かな香りがダラダラと持続します。シャグだともう一歩の濃さが、着香パイプだとそこまで物足りない感じにはならず、ミスト量も多くて比較的満足できる喫味になります。
XVAPE Ariaの80%ぐらいの喫味が割と長時間にわたってダラダラと続き、吸った感もあります。
<Mac Baren 7seas Gold Blend 180度>
加熱に従い、パイプ葉の甘み、酸味、ほのかなナッツフレーバーが引き出されますが、ただ下手すると最近レビューしたC-Vapor4の方が喫味がいいんじゃないかって感じがします。倍の価格でこれかよって、少し残念なんですが、ともあれそういう感じです。
<<-- 原因について考えた -->>
1.まずチャンバーがでかいです
シャグポンさせたシャグなんですが、PAX3とかの1.2倍ぐらいでかい。
乾燥重量でStarryのシャグ重量と比較すると(チェシャグ緑比較)
Starry :0.20g XMAX ACE:0.40g
実に倍ものシャグ量を使っていて、なんだか微妙な喫味なので損した感が強い。
でかいチャンバーを埋めるためにシャグをたっぷり使うので、シャグ消耗が激しい。
2.エアパスがスカスカ
ドローが非常に軽い。前述の通り、チャンバー底部がお尻のエアフローと直結してるシンプルな構造ですが、遮蔽物が一切ないのでスカスカ。Davinci IQはフレーバーチャンバーを採用していましたが、フレーバーチャンバー底部の押し込みによってドローがある程度コントロールされていた。ACEではそういう構造はないので、スカスカなままです。
「1.チャンバーがでかい」でシャグの消費量が激しいということ記載しましたが「ならマイクロドージングで吸えば良いじゃん(シャグをちょっとだけ入れたらいいじゃん)」という発想あること分かりますが、マイクロドージングだと本当にドローがスカスカすぎて吸ってる気になりません。
ここから、悪戦苦闘が始まった。
<<-- ドローを重たくしたい -->>
1. もっと詰める
シャグを限界まで詰めてドローを重たくしてみました、比較的ドローは重くなり、詰めたぶん喫味も濃厚になりましたが、同じ喫味を得るならFury edgeで0.2g詰めて満足してしまいたい気分です。
2. エアフローを潰す
a.シリコンチューブ使用
シリコンチューブを切って突っ込んでみました(分かりやすいようにちょっと飛び出させてます)
これとシャグ詰めを併用すると濃厚さが維持されますが、ピークの持続時間(の短さ)に変更はありません。
b.セロテープで塞いだ後、穴開ける
Twitterでアドバイスいただきました、ありがとうございます。
セロハンテープでエアフロー潰した後、安全ピンで穴開けてみました。
ドローはかなり重くなり、喫味も濃厚になりました。現実的な使用という点と簡便さではこれが一番だと思います。ここまでやってようやく「割と標準的な」喫味が出てきます。
そのほか、ティッシュ詰めたりチャンバーの底にメッシュ追加したり、綿詰めたり色々しましたが、結局セロハンテープが一番ラクでドローが任意に調節できました。
[メンテナンス、使い勝手]
シャグポンのギミックは100%機能しています。非常に綺麗なシャグポンとなります。
清掃も標準的なコンダクションと同じでよろしいかと思います。エアフローを掃除するためのブラシもありますし、gloなんかを使ってる人にとっては慣れ親しんだ構造かと思います。
[さいごに]
モノとしてはDavinci IQを非常に強く意識していると感じるんですが、Davinci IQの良くないところばかりを受け継いでいる感じがします。濃厚でない喫味、ドローの軽さ、ピーク時間の短さ、調節できないエアフロー、大容量チャンバーなのに(ドローの軽さのために)喫味が薄い。
唯一、シャグポン機能は目新しく評価できるところなのですが、シャグポンにこだわりすぎて喫味を落としたのでは、戦えるステージに立ってない気がします。
セロハンテープでエアフローを潰すと比較的標準的な機能、性能、喫味となり戦えるレベルに達したという気がしましたが、13,800円のデバイス買ってセロハンテープ貼って使うって、なんだか悲しくて泣けてきます。
ギミックにこだわりすぎて本質を見失ってしまったかのような、残念さを感じる機種でした。これが自分のクリスマスプレゼントです。
エアフローの良い調節の仕方や、濃厚に吸うためのコツをご存知の方がいらしたら、アドバイスいただけると幸いに思います。
記 2019/12/28