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<第八十弾>
Flowermate Swift Pro(クリックで本家Flowermateに飛びます)
Swift Proという製品のことを考えるとき、かなり古くからある機種なのでコンベクションの流れとFlowermateの流れの両方に少し思いを馳せてみようと思います。
自分がFlowermate製品を手にしたのはFlowermate Auraが最初だったと思うのですが、当時のFlowermateはSmissとFlowermateの移行期のような感じで、
Flowermate V5、Hybrid X、Purehitといった製品の横並びにSwift proが存在していたと思います。
ようやくFenixが発売され安価なコンベクションというのが出回り始めた当時、まだ15,000〜20,000円程度でこのSwift Proは販売されており、そこから数ヶ月経っても半年経ってもなかなか15,000円の壁を下回ることはなく高嶺の花という感じでした。
そしてFlowermateはV5 NanoやSlickといったハイブリッド製品の開発に舵を切り、相変わらずFlowermateのコンベクションのラインナップはSwift Proのみという状況で数年が経過し、
そして安価なコンベクションヴェポライザーの波に押されてようやく価格が10,000円の壁を下回って国内8,000円ちょっとで購入できるようになって、今回購入したのがこのSwift Proでした。
当時としては数少ないフルコンベクションであるSwift Proというものが、FenixやBoundless Teraと比べてどういう喫味を出すのか楽しみではあります。
[結論先取り、このレビューに書かれていること]
・パイプ葉うまいです
・Vivant Alternateと同じような傾向の機種に思えます
・1000 mahはちょっとなぁ
・加熱はMax 7.4Vのためか、比較的急速だと感じます
・最近はいい機種増えてきちゃったからなぁ・・どうかなぁ・・・
[外観]
Isorated Airpath(エアパスが基板と分離しているということ)、100% Convection Airflow(フルコンベクション)。
当時としてはかなり頑張って作られている機種に思えます。
本体、ワランティカード、取り扱い説明書
本体はマットラバーっぽい手触りです、Boundless Tera V3の手触りが一番近い。
細々としたトップキャップやチャンバー周りのパーツ、そしてブラシ、耳かき、フィルターにポーチとMicroUSB
アクセサリーの多さからもFlowermateが(当時としては)Swift Proをフラッグシップモデルと設定して販売していた様子が想像できます。
フロント部、上の丸ボタンが電源ボタン、下の2つのボタンがup/downボタン
ちょっとディスプレイ暗いのよね。
反対側、特筆すべきことなし。
ボトム、MicroUSB充電ポートとエアフロー(インフロー)はここにある。
テカテカ部がなんか表示されそうな雰囲気ありますが、特に何も表示はされない。
トップキャップ。マウスピースは360度回転。トップキャップごと90度回転させると本体とトップキャップが分離できます。
さて、チャンバーいきましょう。
形状やコンセプトはVivant Alternateに通じるものがありますね。チャンバーは取り外して掃除が可能です。アクセサリーとして付属した金属の三角パーツ使うと
外せる。
抑え具、木のリング、底部フィルター。
木材使ってるの、ちょっと変わってますよね。
トップキャップも分解できます。スライダーを下に動かして
金属部あたりをつまんで、丸ごと引っこ抜く感覚で
外れる。丸洗いできますね。
外したパーツ(右)はひっくり返すとこんな感じになっています。
画像はこれぐらいにして・・・
[性能]
・電源ボタン5クリックで起動(2秒以内5クリック)、自動ヒートアップ
・自動ヒートアップ時、電源ボタン2秒長押しでヒーティングストップ/再加熱
・起動時、up/downボタンで温度up/down(60〜230度)
・起動時、upとdownボタン同時押しで摂氏←→華氏変更
・起動時、電源ボタン5クリックでoff
・電源off時、電源ボタン、upボタン、downボタン同時押しでディスプレイ反転
・ヒートアップタイム 25度 → 190度:約20秒
・セッションタイム:4分
温度によって7セッションぐらいはいけそうです。
[喫味]
喫味を記す前に、チャンバーのSwift Proなりの工夫が見られた点を少し書きます。
「外観」の部分でチャンバーを外すと木製のリングが見られましたが、これはチャンバーの加熱部に位置することになります。
木製パーツは熱伝導性が低いので、ちょうどLinx Gaiaなどでみられる水晶チャンバー、Arizer Solo IIなどでみられるガラスステムのような働きが期待され、より「フルコンベクション」として機能するであろうことが推測されます。
<チェシャグ 赤 190度>
フルコンベクションでシャグ系が美味しく吸えた記憶ってあまりないんですよね。今回も喫味はスカスカですし、吸った感がありません。
<チェシャグ 緑 190度>
ほのかにメンソール香りますが、チェシャグ赤と同じ傾向です。
<キャプテンブラック ゴールド 190度>
チェシャグ吸ってる時に思ったのですが、Vivant Alternateと喫味傾向が同じですね。ということで、おそらくパイプ葉が美味いだろうと思って試してみました。
この予測は当たりで、加熱初期こそ喫味は出ないものの、しっかり加熱されるとキャプテンブラックの柔らかくて芳醇で甘みと旨味を伴う喫味がよく出てきます。
なんならVivant Alternateよりもハッキリとしたフレーバーで個人的には「とても好み」な喫味が出てきます。詰め方は「フワッ」で。
美味い。
<桃山 190度>
パイプ葉美味けりゃ桃山試す、ぐらいルーティンになりつつある桃山です。
キャプテンブラック ゴールドで感じた"重さ"みたいなものが抑え気味でかなり吸いやすい。やや自分の桃山は乾燥気味なのですが加湿するともっと楽しめるように思います。
美味いです。
[メンテナンス、使い勝手]
シャグ使うとかなりシャグポン傾向ありますが、シャグだと喫味に不満があるのでパイプ葉中心で運用しています。
パイプ葉だと吸った後カリカリになってシャグポンしづらいですね。
チャンバーへのこびりつきみたいなのは無いので、掻き出し棒でコリコリするとすぐにパイプ葉は出てきます。
長期間にわたって運用するとチャンバーの木製リングが腐敗してきそうで少し嫌ですね。工夫はされているように思うんですが、耐久性は今後の変化を待ちたいところです。
[ここなら安いよ]
最近は国内セラーでも10K下回ることが増えてきていると思います。
ただ、かなり古い機種の一つになりますので強くオススメするというわけではありません。
[さいごに]
喫味としてはVivant Alternateを彷彿とさせる機種ですが、Vivant Alternateはダラダラ系と評しましたがSwift Proはパイプ葉であればかなりガツンと喫味を感じられます。
バッテリー1000 mahなら、ちょっとサイズ大きくなってもいいから18650x2を積んでくれるとかなり満足感あったように思います、18350運用ってちょっとなぁ・・
2年前なら「名器!」「スタメン!!」と太鼓判押していたと思います。パイプ葉が美味く吸える機種って多くはなかったですから。しかし・・
今なら安価帯でパイプ葉ならまずXMAX V2 Proを勧めます。お金があるならZeus Arc GTのステンレスヒートシンク換装がいいでしょう。Davinci IQなんかもパイプ葉ではかなり良い喫味を出します。
前出3機種の優れているところはバッテリー交換可orバッテリー長持ちというところです。これら機種と 1000 mahしか積んでないSwift Proを比較するとやはりバッテリーはデメリットとして目立つ。
ということで、決して悪くない、むしろパイプ葉を吸うなら良機種と感じましたが、これだけヴェポライザーが揃ってきている現状をふまえると、強くは勧めにくい機種だなと感じました。
記 2019/6/26