このサイトを閲覧するにあたっての注意事項は
はじめにをご覧ください
<第九十弾>
Kingtons blk ELFIN(クリックで本家Kingtonsに飛びます)
Kingtonsはいくつか魅力的なヴェポライザーを世に出していますが、有名どころだとまずBlack mambaが挙げられると思います。その他にもFENiX的なコンセプトのOvalやカナダ方面で人気の高いBlack widowは目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
以前ご紹介したB064はKingtons内のナンバリングでしたが最近になってNovaという名前がつけられ、その他Boundless CFC2的なKissやRotaryという変わったヴェポライザーも販売されています。
所持していないKiss, ELFIN, Rotaryの中から一つ選んでレビューしようと思った際に、Arizer Air的な風貌をしていたため、喫味に期待ができるかもしれないと思いELFINの購入を決めました。
[結論先取り このレビューに書かれていること]
・自分は販売店と面倒臭い紆余曲折があった
・設定温度が最低温度でも高い
・ただし、スペーサーありの前提で機種が作られていると思う
・スペーサーありだと、それでも若干高温だが許容できる(個人的には)
・スペーサーがあればあるほど利便性が高まる
[外観]
着弾時の外箱(未開封)
ん・・・・・む?こいつFLFINじゃねーか・・・(いじってないっすよ)
中身は標準的な中華ヴェポ梱包
アクセサリー含めた中身。
なんだけど・・・あれ?
チャンバー、ロングステム、ブラシ、掻き出し棒、本体、MicroUSB、ウォールチャージャー
あれ?
???
どういうこと?
??????
使えないので販売店に確認してみた。
「あなたは受け取った?あなたは中身を確認した?本当にちゃんと確認した?」
「届いたの?ならいいじゃん。」「ステム?知らない。」
「私たちは工場から渡された品を送った。知らない。」
「これらの品を受け取ってる?問題ない?」
だからマウスピースないんだって。
確認したところ、マウスピースが2つ、スペーサーが1つ足りなくて、取説もなく、長いガラスステムが余分に入っている。
「問題ない。問題あるの?なんなの?」
なんなの?
マウスピース入ってないから初期不良だから送って欲しいと伝えたんですが、他の品と同梱なら送ると言われ、なんなの上から目線(Kingtonsではなく小売販売店です)
仕方ないので他の商品を購入する時にマウスピースを同梱してもらいました(工場から無償で送るという話はなんか有耶無耶になった)
気を取り直して、本体解説(この時点でだいぶやる気削がれている)
本体、設定は電源ボタン1つで行うようです、取説ないからよくわからん。
側面、特に目立つところはありません(取説ないからよくわからん)
底面、MicroUSB充電ポート(取説ないから略)
天面がチャンバー。チャンバー蓋は雑に扱うと取れそう。
で、チャンバー。
販売店のご好意により、本来2つあるはずだったマウスピースが1つになっています。(だいぶ根に持っている)
スペーサーはあってもなくても良さそうな感じですね。
→ スペーサーありの方がセッション中の喫味が改善します
[性能]
・電源ボタン5クリックで起動、自動ヒートアップ
・起動時、電源ボタン長押しで温度up
・起動時、電源ボタン2クリックでバッテリー残量表示
・起動時、電源ボタン5クリックで電源off
・ヒートアップタイム 40度 → 210度:約90秒(実測)
・セッションタイム:8分(5分で一度ビープ音)
ヒートアップタイム90秒と書いていますが、210度までの上昇にかかる時間であって、実際は30秒ぐらいから喫味が出てきます。
[喫味]
<チェシャグ赤 210度 スペーサーなし>
自分のことですから、210度でチェシャグ吸ったら「高温すぎる、キックはあるけどフレーバーが消える」とか書きそうですから、あらかじめスペーサーなしとスペーサーありで書き比べてみます。
加温に伴い、約30秒ぐらいから旨みと香ばしさを伴う、Airistech系の喫味が出てきます。ミストも比較的多く、割と満足のいく喫味です。
がしかし、加温が完了するとミストはやや熱くなり、それに従って旨みや香ばしさが抜け、キックと辛味、渋みが優勢になってきます。
セッション半ばになると「もうこんなもんでいいかな、あんまり美味くないや」で切り上げたくなります。
<チェシャグ赤 210度 スペーサーあり>
スペーサーなしと比べると序盤の旨みと香ばしさが曇っているような印象です、ぼやけている。ただ、加熱に伴って比較的強めのキック、香ばしさ、旨みが、モクモクのミストと共に産生され・・・
美味いじゃんコレ。コンダクションの中ではややチープな(Airistech系の)喫味ではありますが、セッション通して過加熱になりにくく、体感として190〜195度ぐらいの喫味かなという感じがします。
この機種はスペーサーありの前提で使った方がいいですね。
<チェシャグ緑 210度 スペーサーあり>
スペーサーありとなしだと、ありの方がセッション通しての喫味が優れている気がするので、ここからは全てスペーサーありで試します。
開始30秒ぐらいからややボヤけたメンソールの喫味が口に入ってきて、そこから急激に旨み、香ばしさを伴った喫味が口の中に広がります。ただし、メンソール成分は喫味が強くなると同時にやや減弱される。
十分加熱しきると、ほんのわずかなメンソールに、チェ赤と同様の喫味が、なかなかのミスト量を伴って醸し出されます。
悪くはないのですが、せったくメンソール選んでるのになぁ(弱いなぁ)という気持ちもあります。
<Kir Royal 210度 スペーサーあり>
最初30秒はカシスフレーバーがメインに出てきてとてもフルーティで良い感じです。
加熱が十分に進行するとカシスが抜けていき、辛味と渋みと旨みを伴った比較的多量のミストが算出されます。
これも悪くないのですが、全体的に着香フレーバーを引き出す能力が弱い気がします。
<コルツチェリー 210度 スペーサーあり>
加熱に伴い明確にミストとチェリーフレーバーが増えて、所有しているヴェポライザーの中ではかなり満足のいくフルーティーな喫味が長時間持続します。
シャグでの利用で欠点だった「早めに着香フレーバーが抜ける」というデメリットがパイプ葉だと比較的長く(3〜4分)持続するので実用に耐えると思います。
Aria、XMAX V2 proと比べると「驚くほど芳醇な」とまではいかないのですが、良いとこいってると思います。
なお、1セッション(8分)も続けてるとかなりニコクラきてフラフラになります。強い。
[メンテナンス、使い勝手]
この機種はスペーサーがいくつかあって実用的になるという印象が強く、可能なら2〜3個のスペーサーにシャグなりパイプ葉なりを詰めておいて、サッとチャンバーからスペーサーを抜き取り、次のスペーサーをブチ込んでダラダラ使いたいのですが、
販売店とのアレコレのせいで本来2つは必ず入っているマウスピースが1つしか手に入らずモヤモヤした気持ちが続いています。
スペーサーに入っているシャグのシャグポンに関しては、フワ詰めシャグならシャグポンしますが、パイプ葉ギチギチだと成功率はかなり下がります。
[さいごに]
温度設定帯が190〜230度とかであれば、おそらく190度〜200度スペーサーありで、かなりフレーバーを楽しめる機種だったと思うのですが、210度スタートはスペーサーがあってもかなり高温だと感じます。特に舌焼けしやすい人の場合は数度のセッションでかなり舌がヤラれると思います。
スペーサーが1つしか手に入らなかったのは残念でした。
総合的には悪くないと言うかむしろ良い機種だと思うのですが、6000円であえてこの機種を勧めるかというと、方向性はまるで違いますがFENiX+とか、パイプ葉ならXVAPE AriaとかXMAX V2proでいいんじゃない?と感じてしまいます。
飛び抜けた特徴はありませんが、スペーサー使用前提で考えると利便性が高い機種なのかもしれません。
記 2020/1/23