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<第九十五弾>
Ploom S(クリックで本家JTのPloom公式サイトに飛びます)
「加熱式タバコのマスプロダクト」というと、まずは加熱式タバコの存在を世に知らしめたフィリップ・モリスのiQOS、やや遅れて販売されたブリティッシュ・アメリカン・タバコのglo、そして迷走気味でしたが第三極として出てきたのがこのJTのPloom Sになります。
ウンチク的な話になりますが、国内のマスプロダクトとしての加熱式タバコの先駆者には、実はPloomが販売した初代Ploomと呼ばれるものがあるのですが、
JTはカプセル式の加熱式タバコの方式を捨ててPloom Sで巻き返しを図ってきました。
Ploom、PAX、JTの軌跡については過去の記事
この辺が参考になるかもしれません。
「なぜ今さら、Ploom Sを?」と思うかもしれませんが、JTのサンプルモニターに応募したら当たったんすよね、なんか貰いっぱなしは悪いなぁというのが一番の理由です
「オメェ、貰ったものではレビュー書かないって言ってたじゃねーか」という人、いるかもしれませんが
過去に自腹で買ったやつがあって、面倒臭くて放置していたというのが事実なので、そこは大目にみてください。
[結論先取り このレビューに書かれていること]
・比較対象がマスプロになりますが、gloと比べバッテリーが貧弱
・iQOSよりは喫味は出ているが、gloに勝る点が思いつかない
・JT(Ploom)推しのCamel メンソールだと、あまり美味しくない
・Ploom初代を発展させたら面白いものが出来ていただろうに・・
[外観]
外箱、以前はお弁当箱みたいな作りでしたが、ずいぶん簡素になったように思えます
(裏にはStarter Kit Model: PS1とあります)
本体、取説、充電ケーブル、以上。
以前のモデルには
専用ブラシが付属していたのですが、これはモニター品だから付属してないのかな?
裏面、入力は5V-1.5Aらしいです
天面、電源ボタンとたばこスティック挿入口
蓋を開けると自動的にスタンバイ状態になります
お尻、MicroUSBポートとお掃除穴があります
お掃除穴はこんな感じで、ブラシを突っ込んでコシコシします
[性能]
・たばこスティックを挿入する穴の蓋をスライドすると自動起動
・起動時、電源ボタン長押しでヒートアップ開始(バイブ)
・ヒートアップ: 外気温20度 → ヒートアップ完了(200度)まで約40秒
・ヒートアップ開始からセッション終了まで約240秒
終了15秒ぐらい前に一度バイブでお知らせ
セッション終了時にバイブ
・残セッションタイムは4つのインジケーターが減少することでお知らせ
・ヒートアップあるいはセッション中に電源ボタン長押しでセッション強制終了
・バッテリー枯渇からフル充電まで約90分
さて、ここで一般的なヴェポライザーとgloやiQOSとの比較を書いてみると(ヴェポライザー視点での考えです)
iQOS: ブレード温度が最高300度程度と推測
glo: 約240度
Ploom S: 約200度
ということで、マスプロの中でタバコ葉に加えられる熱という視点では最も低い、その分キックが弱くなることが推測される。キックを求めて220度とかまで加熱するとセッション数が稼げなくなるので、痛し痒しという気がします。
加熱式タバコは高温で加熱するとタールが発生することが過去のレポートから明らかになっていて、また高温になる程ニコチン量も増えるので健康に配慮した設計と言われると納得できる部分もあります。
バッテリーは
・glo 3200 mah
・iQOS ホルダー 120 mah(1本でその都度充電)
・Ploom S 1020 mah
このサイズで販売するなら14500バッテリーのデュアルで2400 mahぐらい稼いで欲しかったという気もしますが、1020 mahで200度4分のセッションだと6〜8セッションで終了するヴェポライザーも多い中、善戦していると見えなくもないです。
ただし端的にいうと、喫味でgloに勝らない限り、
取り回しの点でglo 30セッション vs Ploom S 10セッションだと顕著なデメリットになる。
[喫味]
Camelのメンソールが6箱同梱されていたので、これでモニターをしろ、JT(Ploom)としては一番の推しはCamelのメンソールだという勝手な解釈をして、これの喫味を評価してみようと思います。
マスプロに求めることじゃありませんが、iQOSはくわえ吸いしてるとホルダーからヒートスティックがすっぽ抜けて落ちる(一度海に落ちてオサラバしました)
gloは本体が重いのでくわえ吸いは不可、Ploom Sも同様です。
でCamel メンソールの喫味ですが・・・
タバコ葉本来の旨みや甘みは感じられません。メンソールで化学的な刺激をキックと誤認識させて「吸った」感を出させる方式ですが、メンソールが強くてコレじゃない感が強い。
これはgloのネオスティックでも言えることですが、タバコ葉らしさみたいなものがかき消されてしまって「メンソールにニコチンをくっつけて吸ってる」という印象。
シャグ、タバコ葉を楽しんでいるという満足感が乏しい、吸った感がなくはないですが、不満が大きい。
モノ自体のコンセプトは
・比較的低温加熱
・スティックを全周で加熱させているのでフレーバーは出やすい
・他マスプロに比べておそらくタバコ葉本来のフレーバーを引き出しやすい
という特性を備えていると思うので、もう少し頑張って欲しかった気はします。
ヴェポライザーやってる人間が書くと極端な結論になりますが、
・Airistech Herbva 5G(2,500円)とシャグ25g 600円(80セッション)
・ifocus pith(3,000円)とシャグ25g 600円(80セッション)
の方がよほど美味くてリーズナブルという感想になります。
バッテリーの持ちにイライラするなら18650が使える機種を選んだり、小型機種使うならDavinci MiqroやBoundless CFC Liteに18350交換して利用した方がスタイリッシュでオシャレだと思います。
[メンテナンス、使い勝手]
1箱20本吸う限りではチャンバー内に汚れは見られませんでした。2〜3箱吸ってブラシで掃除するという記載が多いので、そのペースでいいのでしょう。
iQOSのように直にタバコ葉に触れているわけではないので、本体の汚れは最小限になっています。
[さいごに]
権利的な関係もあると思うので、勝手な願望を書くのは良くないとは思いますが、
Ploom Sはこれはこれとしてたばこスティックを使っていけばいい、Vape的なPloomtechも使っていけばよろしい
第三極としてなぜPloom(初代)のコンセプトを引き継いで発展させなかったのか・・
Ploomに1200mahぐらいのバッテリー積んで、メタリックなフォルム(それこそ金属キセルみたいな形状)を採用し、カプセル20個で500円、これで勝負できた気がするのに
Ploom(初代)のタバコカプセルはヒートアップに時間はかかるものの、たばこの甘みや香ばしさは比較的よく感じられ、メンソールカプセルもケミカルなメンソールでなく吸いやすいものでした
持っていたブランドと権利を破棄して他社に追従してしまった、Ploom Sはgloの下位互換、PloomTechは本気のVapeには全く及ばない
日本人的どっちつかずが生み出した産物という気がして残念でなりません
PAX Labsと手を組んでカプセル作りを先鋭化させたらきっと良いものができただろうにという、産まれなかった何かを想像すると、非常に惜しいやら、残念やら、悲しいやら、そして寂しいものを感じるPloom Sでした。
(今また、Ploom初代を吸っていますが、Ploom Sより初代Ploomの方が喫味よく、美味しく感じられます。惜しい)
記 2020/5/2