<前書き>
このブログは喫煙を推奨するものではありません。
タバコは健康を害します。できる限り吸わない方が良いものです。
紙巻きタバコから離脱できない方、少しでもタールによる健康被害を減らしたい方、
タバコ代を節約したい方、そういった人たちが最終的に禁煙へ向かうための情報提供を目的に作成しております。
ヴェポライザーのレビューは全て主観になります。
私が感じた印象は、実際にヴェポライザーを利用するかた達の印象とは異なるかもしれません。
喫煙は二十歳になってから。
その他、細かい詳細についてははじめにをご一読ください。
<第五十五弾>
Boundless Tera V3(クリックでBoundless Technology本家に飛びます)
Boundless technologyというブランドをどう評価したらいいのでしょう?
現行として手に入るこのブランドの機種に
・CFX そしてこのTeraがあります。
不確かな記憶を頼りにBoundlessの過去を辿ってみると、まず草創期の作品と言えるBoundless CFCは着香系のシャグにおいて非常に好評を博しました。特にコルツライチでのフレーバーはおそらくあらゆるヴェポライザーで最高の喫味を出します。
Herbstick ecoの次のミドルレンジを買うなら、Gpen proかBoundless CFCを選びなさいと評されている時期もありました。それもほんの半年ほど前(2018年初頭頃)の話になります。
Boundless CFCで好評を博した後、しかしマウスピースの破損のしやすさが問題となりCFC 2.0の開発が始まったという、そのぐらいの時期に、どうやらBoundless Teraというものが開発されている。フルコンベクションでデュアルバッテリーを搭載しているという情報が各所から流れてきました(時間軸はズレてるかもしれません)。
Boundless Tera V1の初期出荷が始まり、どうも温度管理の点で過加熱になったり温度表記と実際の温度に差異があるなどの理由でフィードバックがなされ、V2が開発されたもののまだいくつかの不具合が存在し、ようやくV3で安定版となったらしいという情報を小耳に挟みながら、
そのころBoundless CFC 2.0が発売されましたがBoundless CFCに及ばない喫味で各所で散々に叩かれ鼻毛カッターの汚名を着ることになり、
バシッとした製品が出せてないなぁ・・というような印象のまま秋を迎えておりました。
フルコンベクションではGhost MV1やHaze Squareなど興味深いヴェポライザーがいくつかあったのと、買うならV3じゃないと仕方がないと思っていたので先送りになっていましたが、ひとつにはようやくV3をきちんと表記した商品の国内流通が安定したこと、
もうひとつは信頼できる筋から「Tera V3は他のフルコンベクションと印象は違いますが、名機ですよ」の情報をいただき、重い腰をあげて入手に至るということです。
[結論先取り、このレビューに書かれていること]
・18650交換式・デュアルバッテリー
・やや大型で重い
・フルコンベクションとしては幾分安価(20,000円〜)
・喫味を出すのに工夫がいる、しかし喫味は非常に優れている
・(自分は)プラ臭を消すのにかなり苦労した
[外観]
Flowermate V5Nanoに続いて少し大きな買い物だったので、開封式をば
Fullのコンベクションであることをアピールしてますね。
観音開きで蓋をパカッと開ける瞬間て、ワクワクするものがありますね。
この「満載感」はワクワクするものです。
アクセサリーはバブラーアダプター、18650バッテリーx2、お掃除ブラシ、MicroUSBケーブル
本体を中心に見ていきます。
最初の印象は「ゴツイな」です。Fenixよりももう少し肉厚な感じ。
マウスピースはプラスチックです(プラかぁ・・)
フロント部。前面上部にあるのが電源ボタン。左右にあるのが温度上下ボタン。
ギミックと言えるものはそこまで多くありません。
バッテリー部はマグネットで蓋が外れます。
バッテリーは2本標準付属、ICR 18650 2500mah 30ampと記載されています。
Puffitupで調べた限りだと、このバッテリーの30ampはMax 30ampなので、最大放電電流30A、連続放電電流は情報が見当たりませんでした。
やや要求バッテリー性能が高い気がするので基本的には純正バッテリーを用いた方が良いように思えます。昨今どうもバッテリー界隈が騒がしくて純正以外を勧める気になれない。
チャンバーマニアのためのチャンバー画像。通風性の良いステンレスチャンバーですね。
メーカー公式にはフルコンベクション、ただし様々な情報を加味すると個人的にはハイブリッドであるように思われますが、フルコンベクションの特性の方がずっと強く出ていると思うので、コンベクションと表記しちゃいます。
ディスプレイ部、表示は3つのみ。温度、残バッテリー、「吸いどきだよ」マーク(温泉マーク)
サイズ比較。左から順にDavinci IQ、Boundless Tera V3、Davinci Ascent、Ghost MV1
「あっなんだDavinci IQとかAscentと同じぐらいのサイズなの?」って、
見た目はそうなんですが、長さがAscentより短いのに主観的にはGhost MV1とFenixの中間ぐらいのサイズ感に思えます。
見かけ以上にゴツく見える理由はこれですね。なんというか、手榴弾サイズ。
沖縄のアーミーショップで触っただけなのであまり覚えてませんが、握り込むタイプのヴェポライザーです。
[性能]
・推奨シャグは、「これだけはひとまず試しました、美味かったです」というものです
・重い。バッテリー込:278グラム
Ghost MV1:340グラム
Solo2:234グラム と比較してかなり重いのが分かります
・ヒートアップタイム 20度 →190度 :約20秒(早い!)
・セッションタイム ヒーティングからセッション終了まで5分、セッション終了後放置でバイブ、自動off
・電源ボタン5クリックで起動(バイブ)
・起動中に電源ボタン長押しで加熱開始
・起動中に電源ボタン5クリックで電源off(バイブ)
・起動中に(+)ボタン3クリックでディスプレイ反転
・起動中に(+)ボタン、(ー)ボタン同時押しで摂氏・華氏表記変更
・セッション回数は190度設定におけるものです。コンベクション方式は高温で使用するとバッテリーのもちが著しく悪くなります。
コンベクションという構造そのものが熱を発生させるためにかなりのエネルギーを要求するらしく、例えば190度で普段使いしている人(自分)と220度で普段使いしている人ではバッテリーに対する印象がかなり変わるはずです。
"冬"・"220度"・"きっちりクールダウンして使う"の状況だと下手したらセッション回数が10回を下回ることになるかもしれません。
[追記] Concentrate Mode
コンセントレートが何なのか、コンセントレートモードは一体何なのかの説明は全て省きます。
Tera V3を起動し、3度電源ボタンを連続で押すと「Concentrate mode」に変わり温度の変更を受け付けなくなります。500Fあるいは260度の表記がなされ、温泉マーク → 六角形を3つ並べたようなマークに変わります、これがConcentrate modeです。
ここから離脱するには電源ボタンをもう3回連続で押すと通常モードに戻れます。
[喫味]
まともに喫味評価ができるようになるまで3日かかりました。複数の理由があるのですが、最大の理由はプラ臭・ケミ臭のキツさ。
最高温度で空焚きを10回以上、コルツクリアメンソール入れて最高温度で繰り返し焚くこと10回以上、なんならコルツクリアメンソール入れて焚いてマウスピースからエアパスに「吹き込んで」10回以上。
そんなことを数日くりかえしてようやくプラ臭がかなり減りました。長かった。
<チェシャグ 赤 190度>
説明書を一通り読みますと、「グラインダーにかけたシャグを、詰めすぎないように入れる」とあります。
何度も繰り返し吸って分かりましたが、「ひとつまみ」で十分ですね、「少なめ」、「マウスピースで押さない程度」
さて、評価いたしますと・・・
いわゆるMTL、つまり口の中にちょっと吸い込んで舌で味わうような吸い方だとスカスカです。拍子抜けする。
ところがゆーっくりと、喉まであるいは本当に肺に(DLで)吸い込むと、舌、口、喉にかなり濃厚なフレーバーが残ることがわかります。
フルコンベクションは透き通ったようなクリアな喫味を特徴としますが、Boundless Tera V3はこう・・・
クリアさを保ちますが、幾分紙巻に似た重めの濃厚なフレーバーを喉に残します、しかしBlack mambaのような暗い重たさでなく、比較的スッキリとした重さ。
チェ赤単独の評価をすれば、喫味が出るまでに1分ほどの時間を要しますが、そこからゆ〜〜〜っくりと吸い込みますと、香ばしさ、旨味、非常に強いキックがよく引き出され、それがかなり長い時間、なんなら2セッション程度は持続します。
(しかし喉やられますねこれ)
機種比較を依頼されましたので、チェ赤で他の機種の喫味と比較しますと
----- 長いです、興味ない人はスルーしてください -----
・Solo2はわかりやすいクリアな喫味を出します、濃厚かつクリアかつライト。MTLで十分に満足できるフレーバーながら時間が短い、ある方面においてSolo2はほぼ最上の喫味を出します、それも再現性高く。ピーク時の喫味はSolo2の方が好みです。
・Fenixは・・・そうですねFenixのフレーバーに似ている気がします。幾分コンダクションのフレーバーを交えながら、しかし濃厚さとクリアさ、香ばしさはBoundless Tera V3が勝るように思います。ただしDLで吸った場合の話で、MTLではFenixの方がフレーバーがわかりやすい、チェ赤に限ればトータルではBoundless Tera V3の方が「好き」です。
・Fury2と比較しますと・・・、これFury2ってかなり良いヴェポライザーなんですよね。Fury2が(Boundless Tera V3と比べて)コンダクション気味ながらまろやかで上品なフレーバー、ただしチェ赤の香ばしさやキック、旨味、濃厚さはBoundless Tera V3が勝るように思います。
・Ghost MV1とは・・・難しいなぁ。優劣の問題じゃないんですが、Ghost MV1はキマればクリア、濃厚、透き通ったフレーバー、ただし"キマる"瞬間が自分でも予測できない。再現性が"常に"ではない。条件を整えたGhost MV1はおそらく全てのヴェポライザーで最上に近い喫味です。安定性、再現性、予測しやすいのはBoundless Tera V3。
・PAX3とは、ね。チェ赤勝負ならBoudless Tera V3の圧勝です。バリシャグ赤だと分かりませんが。
・最近話題にあがるFOGとは、濃厚さのピークではFOGとトントンかFOGの方が勝るかもしれません。ただご存知の通りFOGはピークタイムが短い。
・再評価しているPulsar APX V2と比較しましょうか。コンベクションなりの吸い方をしてみますと、APX V2の方が全体的に弱くて薄いです。APX V2はシャグをきちんと選んだ方がいい。
・Flowermate V5Nanoと比較しますと、V5Nanoいい機種ですね。MTLでまろやかでキックのある比較的濃厚なフレーバー。しかし濃厚さもキックもインパクトもBoundless Tera V3が勝ります。
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色々と書きましたが、Boundless Tera V3は「Boundless Tera V3の"特有の"」喫味を出します。他と置き換えられるフレーバーではないので、その点だけでも存在が光ります。
お決まりのシャグ評価に戻りましょう
<コルツグリーンティー 190度>
旨味と甘味が出ますね、グリーンティーの良さが引き出されています。そして渋みとか苦味を感じない。喫味自体は重たいのですがクリアさが維持されてフルコンベクションらしさがよく出ています。「分かりやすさ」だとSolo2、「本当のピークの喫味」ならGhost MV1が上ですが、Boundless Tera V3は長い時間満遍なくいい喫味を出している感じで失敗が少ない。比較対象がハイエンド機ばかりになっていることがBoundless Tera V3の底力を感じさせます。
<チェシャグ 緑 190度>
メンソールが香り高いです。Starryでチェ緑吸うのが好きなのですが、Starryはコンダクションらしいコンダクション、Boundless Tera V3はクリアなメンソール香る、重いながら濃厚なコンベクションフレーバー。
どちらも好きですし、いい喫味です。
3種吸って、3種とも高い評価です。他のシャグでも高い評価がなされると思います。
シャグの汎用性の高さが伺えます。
[メンテナンス]
シャグポンというか、シャグサラ(サラッ)ですね。マウスピース兼チャンバー蓋外して傾けるだけで、必要なら軽くコンコンすればサラッとシャグが出せます。
チャンバーもあまり汚れません、メンテナンスは楽。
[ここなら安いよ]
特価でない限り無理して海外で買う必要はないかと思います。
てまきやさんで買いましたが、さっき見たら21,600円。海外最安値に近いんじゃないでしょうか。
[さいごに]
率直に、いい機種だと思います。でかい、重いことを除けば。
喫味はハイエンドに遜色なく、シャグサラできて、濃厚でピークタイムも長い。
シャグを選ばず、シャグの特性を(若干重いながら)クリアに引き出す。
18650交換式でバッテリー切れてもノータイムで次のセッションが始められる。
自分の中での比較対象がSolo2やGhost MV1になっているので、「ハイエンド」のグループに入れてしまっている。
プラ臭を除去するのにかなり苦戦しましたが、デメリットは本当にそれぐらいで、あまり欠点が見つからない。
(個人的な難点を言えば、DLって疲れるんですよね・・・ニコクラくるの早いし・・)
Boundlessやるじゃん、って感じでした。
記 2018/10/21
追記 2018/11/15