ヴェポライザーレビュー うむ美味いおじさん

タバコを吸うためのヴェポライザーをレビューするサイトでした

Lotus Vaporizer(ウメさんレビュー)

このサイトを閲覧するにあたっての注意事項は

はじめにをご覧ください

 

----- レビュー文責はうまおじが負います -----

序文:うまおじより

Lotus Vaporizer(クリックで本家に飛びます)という非常にマニアックなヴェポライザーがありまして、DynaVapが比較的許容されやすいアナログヴェポライザーだとすれば、
それよりややマニアックなアナログヴェポライザーがMFLB、そして国内でほとんどユーザーがみられないのがこのLotus Vaporizerです。実際に国内でレビューを探してみましたがLotus Vaporizerについての感想は皆無の状況でした。

DynaVapなら"だいなで"さんが既に知られた存在だと思いますが、同じぐらいにMFLBなら"ウメさん"というぐらい個人的に尊崇申し上げておりました、そのウメさんからLotus Vaporizerのレビューをいただきましたので、ここに掲載させていただきます。

ウメさんありがとうございます

-----以下本文------

Lotus Vaporizer (review)
かねてから興味のあった Lotus Vaporizer を入手しました。一ヶ月ほど使ってみて何となく特性が見えてきたので軽くレビューをば。


Lotus の構造
ともあれ写真をご覧ください。

f:id:umu_umai_ojisan:20190507214429j:plain

はい、見た目のクセが凄いですね。写真右上の丸っこい部分は「キャップ」と呼ばれるパーツです。そこから斜め下に伸びている黒いのは「ステム」と呼ばれるパーツです。ステムの先端にはチャンバーが取り付けられています。Lotus を使う際はキャップを取り外してチャンバーにシャグを入れてからキャップを再度装着します。

f:id:umu_umai_ojisan:20190507214619j:plain

キャップを裏返すとこんな感じです。中央の金属パーツを取り囲むように開いている六つの穴が吸気口です。中央に見えているメッシュの奥にうっすら見えているのはホットプレートのさらに下に配置された金属薄板です。吸気口から取り込まれた外気はホットプレートと金属薄板の間を通る過程で急速に加熱され、中央のメッシュ部分からステム先端のチャンバーへ流入します。
次にステムはこんな感じです。

f:id:umu_umai_ojisan:20190507214654j:plain

f:id:umu_umai_ojisan:20190507214857j:plain

特に説明が必要な部分はないと思います。二枚めは解体した状態です。ステムの端にネジ穴があり、そこにはめ込まれたネジを外す事で水を通して洗浄できます。

f:id:umu_umai_ojisan:20190507214929j:plain

こちらはキャップのネジを外して黒いやつとホットプレートを外した状態です。一番上に見えているのはホットプレートと下の金属薄板の間に空間を作るためのゲタです。金属薄板は非常に薄く、不用意に触ると折り曲がりかねないレベルです。右下部分が少し欠けているように見えますが、これは薄板が二つ折りになっているからです。
一番外周にある三つの穴が固定用のネジ穴、その少し内側にある六つの穴は外気を取り込むためのもので、キャップの土台の木のパーツにも同じ配置で穴が開いています。中央にある十二個の穴はチャンバーと繋がっています。
念のために書いておきますが、通常はここまで分解する必要は一切ありません。分解が必要なのはホットプレートが耐用限界を超えて破損した際に交換する時か、よほどアレな使い方をしてチャンバー内のシャグを燃焼させてしまい煙の匂いがキャップ側のパーツについてしまったような場合に清掃を試みる時くらいでしょう。

f:id:umu_umai_ojisan:20190507214955j:plain

コレはホットプレートですね。多分裏返しかな?ちょっと記憶が曖昧だから自信がないですけど多分そう。結構薄いんですよね。指で弄るくらいでは壊れないですけど、雑に扱うと曲がる程度には薄い。先に写真を載せた薄板の強度の事などを合わせて考えると、必要時以外はバラさないというのが基本だと思います。
まあキャップの内部は普通に使っている限りシャグに到達する前の吸気が一方通行で通り抜けるだけなので、まず清掃は必要なかろうと思います。なので現実的に考えると内部へアクセスするのはホットプレートへアクセスしたいときだけと考えれば良いです。

 

使い方
ステムからキャップを外し、チャンバーの中にシャグを詰めたらキャップを再度装着します。ステムを口にあてがい、トーチライターでキャップの上面の金属の中央を四秒間ほど予熱します。予熱が終わったらゆっくりドローを始めます。その間、ライターの炎は小さく円を描くように動かします。
ドローを終える少し前にライターを消し、ステムに残ったミストを吸い込んでから口を離します。シャグの焼きムラというか抽出ムラというか、そういうのが嫌な人は、ドローし終えてから次のドローまでの間にキャップ底面から生えている金属の棒でチャンバーをかき混ぜるとシャグの火の通りが均一になります。
あとは喫味が出なくなるまで、あるいは喫味が悪くなるまで数回長いドローを繰り返してシャグを捨てればおしまいです。

 

喫味について
喫味はとてもクリアです。ドローを始めると一拍遅れて喫味が口腔に広がり始め、ドローの勢いや火加減などで喫味が変化していきます。こう書くと非常に繊細な操作が必要だと思われるかもしれませんが、よほど極端な使い方でなければシャグが燃焼してしまうようなことはありません。
ステムはアルミ製で、加熱された吸気を急速に冷却してくれます。これはヴェポライザー 全般に言える事ですが、連続して使用していると放熱が追いつかなくなります。徐々にステムが生温い感じになっていきますが、熱すぎて不快というようなレベルではありません。


モクモク出来るかについて
ミストは多めですのでモクモク出来ます。吸ってる感が出て良いですね。ただ最初のドローではミストは気持ち程度です。二回目のドロー以降は安定してミストが出ます。


使用感
違うんですけど、DynaVAP と似ているように感じます。まあオンデマンド加熱で直火というところは同じなんですけどね。でも DynaVAP はコンダクションであるのに対して Lotus はコンヴェクションですし、DynaVAP ではキャップを加熱して熱を溜めてから吸い始めるような感じなのに対して、Lotus は加熱しつつリアルタイムに吸うので、同じとは言えない。
ただ、Lotus はドローの長さにもよりますが、まあ概ね五回程度ドローすると喫味が出切るような印象で、そこら辺が DynaVAP と少し似ていると感じます。こう、明確に何回とか何秒間とかではなく、ドローのたびに少しずつ喫味が変化していって徐々に「おしまいの味」に移行していく感じとか。
あと、これも違うんですけどMFLBにも似てますね。MFLBはドローの数秒前からバッテリーを押して通電を開始してドロー中も通電を続けて、ドローのペースで喫味を調整します。Lotus はドローの数秒前からトーチライターで加熱を開始して、ドロー中は炎を小さく円を描くように動かし、ドローのペースと炎とホットプレートの距離や炎の強さで喫味を調整します。
DynaVAP・MFLB・Lotus の手作業感はやはりアナログ系ヴェポライザーの共通項で、強烈に使用感に影響しているなと思わされました。それぞれに喫味の傾向は全く違うのに、使っている時の感覚は結構似ているのだから面白い。


燃費について
Lotus はバッテリー駆動ではなくトーチライターで炙る方式なので、気になるのは燃費ではないかと思います。この点に関して正確に計測したわけではないのですが、小さめのトーチライターと Lotus のみで一日すごす場合、朝の時点でライターにガスを満タンに入れていても夕方くらいには一度ガス欠になります。ガスの消費量の感覚は概ね DynaVAP と大差ない印象です。
ではバッテリー駆動のヴェポライザー比較するとどうかというと、燃費は悪かろうという印象です。ただ、バッテリーの場合充電に時間がかかるし18650はその辺でポンと変えるようなものではないのに対して、ライターならその辺で充填用のガスを買えるし充填自体も一瞬というメリットがあるとも言えます。


清掃の手間について
清掃は楽な方じゃないかと思います。キャップは基本的に清掃不要です。加熱しすぎてシャグを燃やしてしまうと分解清掃が必要になるのですけど、まあ普通は燃やさないと思います。ステムに関してはどうしても粉状に砕けたシャグがメッシュを通り抜けて下に溜まるので、一日に一度分解して水道水をジャーしてから水気を拭き取ってやれば大丈夫です。チャンバーの壁面はそれだけでピッカピカになります。スクリーンを外すのにちょっとコツが必要なのですけど、まあ消耗品だと割り切れば結構強引に外しても大丈夫っちゃ大丈夫です。
大抵のヴェポライザーは洗えない場所がある(そしてそこにモロに汚れが溜まる)という事を考えると、メンテナンス性に優れた製品だと言えると思います。

 

どんな人に合うヴェポライザーか
公式サイト(英語)を自分で読める人ならまあ使えないってことはないです。あとはオンデマンド方式であるとか、トーチライターで加熱するとか、当たり前だけど細かい温度管理機能などはないとか、そういうアレコレを受け入れられる人ならって感じがします。


何故 Lotus を購入したのか
僕がアナログなヴェポライザーが好きだという嗜好が根っこにあります。僕は DynaVAP で直火式のヴェポライザーを使う前からずっとMFLBを愛用していて、一般的に喜ばれる「細かな温度管理」みたいなのがしゃらくさく感じるたちで、そうなると自ずと情報収集はアナログ系に偏ることになります。さらに、僕は基本的にコンダクション方式のヴェポライザーばかり使っていて、コンヴェクションな物があれば嬉しいと思っていました。
この条件で候補に上がるのは、Lotus の他には StickyBrick 他数種類のヴェポライザーに限定されます。その中で最も喫味が安定しそうだと期待できたのが Lotusでした。Lotus 以外の候補はどれもライターのガスの匂いが混じりそうな構造であったり、かなり加熱の加減が難しそうな構造であったりで、決定打に欠けていたわけです。
まとめると「アナログなヴェポライザーでありながらフルコンヴェクションであり、さらに喫味が安定しそうだったから」ということになります。

 

シャグに関して
数種類ですがシャグを試してみた感想です。まず全体的な傾向ですが、ナチュラル系のシャグに関しては素直に喫味を引き出してくれます。対して着香系のシャグにはあまり向かない印象です。


ハイタバコ黄
当たりの個体(きちんと甘味が感じられるもの)であれば非常に美味しいです。香ばしさと一緒に甘味が口に広がります。シャグを入れ替えつつ吸い続けていると少しクドく感じられるくらいに甘味が出ます。


ペペ
ハイタバコ黄ほどではありませんが、ヴァージニア葉の優しい甘味と香ばしさを楽しむことができます。粉シャグを使うと少し辛味が強く出るかなという印象。


マニ金
加湿せずに吸うと序盤はとにかく辛い。そこからフンワリと甘味が出てきます。最初のドローは覚悟をしないと噎せるくらいに辛いです。


コルツ・グリーンティー
不味い。まずあのグリーンティー的香りが口をめちゃくちゃに蹂躙していき、その後で味気ないタバコの味がやってきます。


チョイス・ダブルメンソール
罰。ドローを始めた瞬間口腔から気管支までが一気に刺激を感知します。まず噎せる。ミントのような甘味が後からやってくるならまだしも、後味が少し苦い。舌の付け根から凄い勢いで唾が湧き始め、人間に残った動物の部分が「これはいけない」と警鐘を鳴らします。


Lotus はこう使うのが美味いよ、という提案
ナチュラル系のシャグ一つまみフンワリと丸めてからチャンバーにいれ、軽く押して(押し潰すような強さはダメ)チャンバーにフィットさせてから、標準よりもやや弱めの火力でゆっくり加熱して吸うと最高に美味いです。一番オススメなのはペペです。マニ金も捨てがたいのだけど加湿とかめんどいから、普段使いはペペが気楽で良い。ハイタバコ黄でももちろん美味いけど、何回かチェーンして吸い続けていると甘さがかったるく感じられます。
好ましいタバコの吸い方じゃないのはわかっていますが、寝る前に三回くらいシャグを入れ替えながら吸い続けると軽くクラッときて心地よいです。そのままベッドへ移動して横になるのが最高です。

 

さいごに:うまおじより

DynaVapと同じくユーザーを選ぶと思いますが、DynaVapでアナログヴェポライザーの新しい扉を開いてしまった人は、次はSticky Brick探したり、自分が購入したApolloのVenus探したり、そしてその道すがらに出会うのがLotus Vaporizerになります。

どんな機種かという情報がそもそも少ない上に、海外では吸ってるものが日本と違いますので、タバコ葉でLotus Vaporizerを使ったウメさんのレビューは「へぇ、こんな変わったヴェポライザーがあるんだ」と思った人への参考になるかと思います。

 

重ねて、レビュー寄稿してくださったウメさんありがとうございます。

 

レビュー寄稿 2019/5/6

レビュー公開 2019/5/7